記事要約:目玉は2つの野外劇場!ハドソン川沿いに人工の水上公園「リトルアイランド」誕生 (NEW YORK)

OUTLINE【2021.06.21】

 

5月21日、ハドソン川沿いに人工島・水上公園「リトルアイランド」がオープンした。
1ヘクタールの敷地はスロープで細かく仕切られ、造園家シグネ・ニールセンが手がけた庭園や遊歩道、プレイグラウンドに加え、高台や展望台も備え付けられている。なかでも目玉は、687人収容の円形劇場アンフ(Amph)と、200人を収容可能の芝生につながっているステージのグレード(Glade)。
メディア王バリー・ディラー(Barry Diller)と妻でデザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Ferstenberg) の財団が、建設費2億6000ドル(約280億円)を寄付したうえに、今後20年の維持費も負担する。ディラーは、32歳でパラマウントピクチャーズの会長に就任し、その後フォックス・スタジオやQVCの会長兼CEOを歴任。IAC(InterActiveCorp――ニューヨークに本社を置き、150ものメディアブランドを傘下に収める米大手メディア・テクノロジー複業企業)およびエクスペディア・グループの会長を勤めている。この個人慈善家の主導がなければ実現しなかった、公立公園民営化の手本とも言える(夫妻の財団は、空中庭園のハイラインにも数十万ドルを寄付している)。
設計を手がけたのは、ハドソンヤードのヴェッセルをデザインしたトーマス・ヘザーウィック(Thomas Heatherwick)。入場は無料だが、時間ごとに区切られた入場券をオンラインで予約する必要がある。

アーティスト・イン・レジデンス・プログラムも設け、アーティストを迎えてパフォーマンスのプログラムを展開。2021-2023シーズンには、タップダンサー・振付家のアヨデル・カセル(Ayodele Casel)、劇作家・演出家のティナ・ランダウ(Tina Landau)、俳優・歌手・音楽監督のマイケル・マッケロイ(Michael McElroy)、俳優・ミュージカル・ストーリーテリング・グループのピッグペン・シアター・コー(PigPen Theatre Co.) が選ばれた。
6月から円形劇場アンフでのパフォーマンスも開始。パフォーマンスの観劇には別途チケットが必要となる。(MK)

https://littleisland.org/

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