記事要約:コロナ感染による多数の公演中止を受け、ブロードウェイが存続に向けた経済対策を検討(NEW YORK)

OUTLINE【2022.01.07】

関係者によると、ブロードウェイ・リーグ(The Broadway League)は、コロナ感染者の増加により公演が中止となった場合のキャスト・スタッフの給与を50%減とする提案をしたが、組合側はこれを拒否したという。
9週間の長期休演という異例の対策を取った『ミセス・ダウト(Mrs. Doubtfire)』では、規約に則り、1週間前にカンパニーにその決定を通達し、契約をいったん終了することとした。休演中は無給となるため、再開時に元のメンバーが揃わないリスクは覚悟の上。劇場主の特例対応で劇場賃料はかなり減額でき、公演再開時の再雇用やリハーサル、マーケティングなどを含む休演措置にかかるコストが50万ドル強なのに対し、公演を続けた場合の損失予想は350万ドルとなることから、苦渋の決断だったとプロデューサーのケビン・マッカラム(Kevin McCollum)氏は言及した。なお、同プロダクションでは、休演前は毎日コロナ検査を実施。キャスト・クルーを含む関係者115人の検査費用は当初週1万8000ドルだったが、オミクロンによる感染急増後は、いくつかの検査機関の閉鎖や判定結果を急ぐ必要から、週6万ドル近くに膨れ上がった。一方、チケットの売上は平均17万5000ドル/日だったものが、約5万ドル/日に減少。子供のワクチン接種義務づけも、ファミリー層向けの同作品には特に打撃となった。カンパニー内のブレイクスルー感染で、通常より高収益となる12月12日から21日までのホリデーシーズンに11回公演を中止することとなり、その際に生じた150万ドルの損失が、長期休演を決断する最大要因となった。
同じくブレイクスルー感染により、早期公演終了を迎えてしまった『ソウツ・オブ・ザ・カラード・マン(Thoughts of a Colored Man)は、ブロードウェイ再開後の新作だったため、コロナ前から公演を行っていた作品が対象の助成金制度を利用できず、何度もの公演中止に対応できる経済的余裕がなかったと、プロデューサーのブライアン・モレランド(Brian Moreland)氏は言及した。
上記の作品以外にも、コロナによる公演中止の犠牲になった作品には『ジャッグド・リトル・ピル(Jagged Little Pill)』、『ウェイトレス(Waitress)』、16日でクローズを迎える予定の『エイント・トゥー・プラウド(Ain’t Too Proud)』、『フライング・オーバー・サンセット(Flying Over Sunset)』などがある。
春にはコロナ感染も落ち着き、回復が見込めると言われているが、具体的にはいつなのか、またそれまでに何が起こるのか、現時点では不透明である。(MK)

Broadway looks for a way forward as shows close due to COVID-19 cases

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